我が国日本では、高度経済成長期からバブル期にかけて多くのビル・マンションが建てられました。その一部は「旧耐震建物」と呼ばれ、違法ではないのですが、現行法に合わない「既存不適格建物」として、大きな地震では崩壊の可能性のある危険な建物とされています。地震、台風などが毎年起きる災害大国の日本では、政府も「日本強靭化計画」と銘打ち、自然災害に強い国を目指しています。
かつてはコンプライアンスの意識の低かった我が国では、検査済証の無い建物も多くあります。取らなかった理由は様々で、一概にダメな建物とは言えませんが、法を無視して検査済証を取るよりも有利になるような建築をした建物もあります。使用するうちに非常口に物を置いて避難しにくい状態になり、消防法違反になってしまっているケースもあります。ビルオーナーは勉強されている方が多く、様々な懸念をお持ちの方は多いのですが、テナントとの関係もあり、問題が起きない限りは手をつけられていないことが多いです。
これらが保有リスクを生じさせ、当該不動産の価値および価格を下げさせています。当相談室では、その修正、もしくは対処をするお手伝いをいたします。
不動産会社といっても業務により「賃貸仲介」、「売買仲介」、「開発(デベロッパー)」、「買取り転売」、「保有」、「管理」と大きく分かれています。多くは駅前に店舗のある不動産会社のように「賃貸仲介」をメインにしております。賃貸と売買では、金額も大きく変わりますし、物件精査等におけるスタンスも大きく変わります。売買を行う会社でも、多くはマンション1戸や戸建てを取り扱っております。大手の不動産会社にしても、各駅にある支店はマンション1戸や戸建てをメインとしています。一棟のビルやマンションなどの大きな不動産を専門に扱っている会社はとても少ないのです。ビル・マンションのオーナーの皆さんも、賃貸でテナント(お客)付けをしてくれた不動産会社、もしくは管理会社に相談をしていた方が多いのではないかと思います。
中古一棟ビル・マンションを専門にし、買取りでなく、コンサルティングを主体にした独立系の会社は、この相談室の他に多く無いと云えます。
不動産会社の大きさは様々ですが、特に仲介やコンサルティングでは、実際のところ、担当者がどれだけ当事者意識を持って、検討・対応するかにかかっております。大きな会社では、入り口では上司が挨拶に来るものの、始まれば担当者しか来ず、さらに途中で交代するケースは普通です。そんなことで大切な資産を委ねてよいのでしょうか。
当相談室では、経験のあるスタッフが一気通貫で対応いたします。再開発やマンション建替えの経験もございますので、小さいビルから大きなビルまで対応が可能です。
不動産は特殊な商品です。工場製品と違い、同じものはありません。隣に建てられていても、陽当りや眺望、間取り、構造、外観が変わります。それにより価格も変わりますので、簡単な比較をするのが難しいのです。税制も、不動産には特有のものがあります。
不動産保有においては、悩ましいことが多くあります。Google検索をすると、様々な答えが出てきて、さらに悩ましいことでしょう。不動産保有は一種の長期投資です。賃貸やリフォームのことも、将来に渡る資産運用、不動産組換え、相続等に繋がっていきます。加えてオーナーの年齢やライフイベント、税金等のすべてを考慮しないと、オーナーの決断は難しいと考えます。その時、その部分だけを考えて答えを出すのでなく、長期的かつ包括的に検討し答えを出す必要があります。
当相談室では、今までも「旧耐震建物」などの悩ましい問題を抱える物件につき、調査・検討を行い、ある物件ではリノベーションを行い、ある物件では不動産組換えを行って、結果としてお客様に喜んでいただいております。今まで多くのビル・マンションオーナーとの出会いがありました。これまでを振り返り思うことは、もっと早く相談して頂ければ、もっと良くして差し上げられたのにということです。
上述してきたように、不動産は特殊で、理解しづらいことが多くあります。一人で考えるのでなく、専門家を味方に付けることをお勧めいたします。
些細なことでも、まずは電話、メール、ビデオ通話でお尋ねください。
セカンドオピニオンとしてもお使いください。
令和3年10月1日
中古一棟ビル・マンションの相談室