税理士サポート「土地調査」

■ 税理士サポート「土地調査」
コラムvol17 令和6年3月4日号


弊社は懇意にしている税理士先生より相続税申告のための土地調査のお仕事をお請けしております。先生方は相続評価を算出するにあたり、単に面積に路線価をかけて算出するのでなく、セットバック部分は外し、変形部分は減額、高低がある程度あればそれも減額します。先生方の少しでも相続評価が下がるように手間を惜しまない姿勢には感心いたします。
弊社ではそのための基礎資料作りを請け負っております。現地に赴き、一般的な宅地との違いがないか確認します。測量図の無い場合にはかつてはテープやメジャーを使って測っておりましたが、最近はレーザー距離計で測るようになりました。ゴルフの時に残り距離を測る時に使うのと同じようなモノです。道路が4m未満の2項道路の場合も要注意です。特に認定幅員が無い場合には現地を測定するとともに周辺の資料も取り寄せます。また隣接等に工場や嫌悪施設等があるかも確認いたします。念のためですが土壌汚染等の可能性もあります。最近は役所調査の一部をネットで処理できるようになり随分と楽になりましたが、必ず役所には調査に行くようにしております。


今回の依頼は、杉並区約22坪の古家付きの借地権1区画、前面は2項道路で、ここら辺は道路が狭く入り組んでいるので変形の土地です。確定測量図が無いため、上述の通りレーザーで簡易測量しました。東側境界線上に折れ点があったのですが、道路から折れ点も角の境界も見える現場でしたので、苦労しましたがなんとか測ることができました。こんな感じ↓の図面と報告書をつけて納品します。1区画5万円(税別)とリーズナブルに行っております。

遺産分割の場面では相続評価と実勢価格に差が出るケースも多くあり、その違いを考慮しながら、相続人が納得するように分けることも大切です。よって弊社では先生から別途実勢価格の評価を依頼されることもあります。よくあるのが被相続人が長年住んでいた古家です。空き家になった期間がある程度経つと木造の場合にはほとんどそのまま使うという選択肢が無くなり、取壊し最有効な状況となります。相続評価においてはあくまでも土地と建物は別に評価し、建物は固定資産税評価額となります。現実には更地価格から取壊し費用相当額を引いたものが実勢価格となり、建物はマイナス評価となります。建物評価額自体は築年が古ければさほど大きくないかもしれませんが、最近は特に解体費用が大きくかかります。特に古い建物にはアスベストが含有されていますので高額な解体費用がかかります。土地の評価は路線価に順じ実勢価格より低いのである程度は許容範囲といえますが、相続人間の仲が良くない場合にはなかなか収まらない問題になることもあります。同様に古アパートの賃借人が一部残っている場合には解体費用に加えて立退き費用もかかります。戸数が多い場合には素人の方が行うのは難しいので、業者に依頼する前提での費用を見積もる必要があります。弊社では非弁法に抵触しない形で立退き業務のお手伝いも行っております。

相続以前に被相続人の土地を特定の相続人が売買(もしくは贈与)しているケースでも揉める元となることがあります。例えば↑図のように相続人の一人が道路に面した土地を先に被相続人から譲り受けて居住していた場合、残った敷地延長の土地を相続により譲り受ける場合、敷地延長の土地の評価は低いのですが、すでに持っている土地と一体になることで道路付けの良い評価の高い土地となります。当該相続人でない相続人よりこの評価の加算分をどう考えるかといった問題が投げかけられた場合は難しいところです。相続人間の調整が必要な場合には皆さんが納得するようなしっかりとした資料が必要となります。

私が相続税のための不動産の売却を依頼された事例では、約200坪の土地の一部約50坪が使用貸借でした。被相続人の弟さんがその土地に自身で建物を建てて地代無償で長く住んでおりました。相続評価においては使用貸借による減額は無く、相続人は本物件を売却して納税することになりました。当初は大手不動産会社に相談していたようですが対応してもらえず、弊社に相談がありました。使用貸借している弟さんも高齢でしたので、まずは相続人から弟さんのお子様に使用貸借についての話合いを提案してもらったのですが、取り合ってもらえませんでした。ここは第3者を立てたほうがよいと判断し知合いの弁護士と協力して行うこととしました。弁護士からのお手紙とご挨拶により法的な根拠を説明させていただき、最終的には補償費用を支払い立退きしてもらうことにご理解いただきました。特に相続税の納税が絡む場合には期間の制約もございますので、我々のような会社にご相談いただくことが得策かと思います。

相続評価においては公平な評価が大切とされておりますが、実際に不動産は千差万別ですので、ケースごとに対応していくことが肝要となります。