最近は「不動産小口化商品」や「不動産クラウドファンディング」という言葉を耳にするようになりました。様々な商品が出ており、それぞれが少しずつ違います。お取引先からの問合せも増えておりますので、これらがどのようなものか簡単に比較してみます。
不動産小口化商品
「不動産小口化商品」は、不動産投資のミドルリターン&ミドルリスクでかつ任意組合型においては不動産の圧縮効果が使えます。代表的なのは20年以上行っている青山財産ネットワークスの「アドバンテージクラブ」です。
不動産クラウドファンディング(不動産特定共同事業)
「不動産クラウドファンディング」は、不動産の開発投資の色が濃く、その分収益力も高いですがリスクも高くなります。「みんなで大家さん」のシリーズ成田においいては2024年6月に行政処分が行われたことも、まだ耳に残っていることと思います。こちらも併せて「不動産小口化商品」と呼ぶこともあります。
リート(不動産投資信託)
「リート」は、株の1種と言った方がわかりやすいと思います。株同様に常に価格が変動しており、不動産本来の収益力だけでなく市場の状況にも影響を受けて価格が変動します。有名なところでは「日本ビルファンド」や「ジャパンリアルエステート」があります。
さらに「デジタル証券」や「セキュリティトークン」といった「リート」と「不動産小口化商品」の間に位置するような商品が大手企業から出てきております。
世に出てから長い順にならべると、「リート」>「不動産小口化商品」>「不動産クラウドファンディング」となります。どの商品も元本割れのリスクはあるのですが、この順に商品が成熟していると思います。
相続対策で考えるなら「不動産小口化商品」(任意組合型)をお勧めいたします。ただこの商品につても個別性が強いです。一般的に売却時の価格が落ちない可能性が高いのは建物の劣化による賃料の影響が低いオフィスを含めた商業系の不動産です。
現在、「リート」は株に比べてあまり人気がありませんが、「不動産小口化商品」と「不動産クラウドファンディング」どちらも人気があり売れているようです。これらの商品を組成する企業においても、「リート」の人気が低く、利回りが高止まりしているため、不動産の出口の選択肢として組成を行っているようです。
これらの商品は小さい金額から始められること、株のような勉強が必要ないイメージと、長期投資ですぐに結果が出ずに安心していられることから投資のハードルが低くなっています。相続対策においては、「不動産小口化商品」の任意組合型はとても有効なツールです。所有期間中の利回り(配当)も重要ですが、出口での価格もとても重要ですので、その見通しが大切になります。実際に商品の個別性が強いので、長期であるからこそしっかり勉強して商品を見極める力が必要になります。