耐震化の必要性と考察

『耐震化の必要性と考察』

耐震化は、国における国土強靭化における一つの柱であり、首都東京においても下記のように定められています。

耐震化の必要性

(1)災害に強い都市の実現

阪神・淡路大震災では、旧耐震基準の建築物を中心に被害が生じ、多くの死傷者が出た。
また、建築物の倒壊により幹線道路などが閉塞し、緊急車両の通行が妨げられ、復旧活動の大きな障害となるとともに、老朽化した木造住宅などが密集し道路や公園などの都市基盤が十分に整備されていない密集市街地では、細街路の閉塞や火災の延焼が起こり、大都市特有の地震被害が顕在化した。
平成 28 年熊本地震では、地震動が大きく建築物の被害が著しい地域において、新耐震基準導入以降木造住宅に比べて、旧耐震基準の木造住宅の被害率が顕著に高かった。
このため、東京においても、旧耐震基準の建築物の耐震化を着実に図っていく必要がある。とりわけ、震災時において救急・救命活動や緊急支援物資の輸送などの大動脈となる幹線道路の沿道建築物の耐震化や、木造住宅が密集している市街地における建築物の不燃化・耐震化は、災害に強い都市の実現に不可欠である。
また、地震による住宅の倒壊を防ぐことは、居住者の生命や財産を守ることだけでなく、都市の防災力の向上にもつながることから、早急に進めていく必要がある。

(2)首都機能の維持

東京は我が国の首都であり、国会や中央省庁、金融機関の本店など政治や経済の中枢機能を有している。
また、国際空港や MICE機能などでは都外の都市においても首都機能を担っており、近隣の都市と一体となって首都機能は成り立っている。
地震が発生しても首都機能が損なわれることなく維持されるためには、隣接する県や主要都市とともに広域的な観点から災害対応時に大動脈となる道路のネットワーク構築に取り組む必要があり、こうした観点からも緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化を推進していくことが重要である。

(3)緊急輸送道路から避難所等までの通行機能確保

震災時において救急・救命活動や緊急支援物資の輸送などの大動脈となる緊急輸送道路の沿道建築物の耐震化に加え、災害時に住民の円滑な避難などが実施できるように、緊急輸送道路から避難所等までの道路の沿道建築物の耐震化にも、都と区市町村の役割分担を踏まえ、取り組んでいく必要がある。

耐震化の基本的考え方

建物所有者の主体的な取組

建築物の耐震化は、自助・共助・公助の原則を踏まえ、建物所有者自らが取り組むべき問題であり、かつ、地域の問題であることを認識し、主体的に取り組むことが不可欠である。
建物所有者は地震による建築物の被害や損傷を防ぎ、生命と財産を守ることはもとよ り、建築物の倒壊による道路閉塞や出火の発生が地域の安全性に重大な影響を与える可能性があることを十分に認識し、耐震化に取り組む。

考察

オーナーの皆さんは、特に旧耐震建物については、耐震化したほうが良いと判っていることと思います。一部にはコンクリート自体は100年持つのだから大丈夫と、思っている方もいるかもしれません。いずれにしろ決断においてキーとなるのは、経済的な側面です。旧耐震のまま維持されている方は、旧耐震建物といえどもテナントがつき、賃料収入がリフォームを含めた費用等を上回り、収入があるから現状のままとしているのでしょう。
このお役立ち情報の「建物オーナーの責任」にある通り、建物を所有することは責任を伴い、それはリスクとなります。過去、東日本大震災における原発事故やJR福知山線脱線事故においておいても、日本有数の大企業が安全性を見落としていたのではないかと問題となり、大きな代償を負っています。大企業が出来ていないんだから、個人や中小企業の我々は仕方ないと考えてしまうと大変なことになります。
またこのお役立ち情報の「ヒューリックにみる建替えの効能」にある通り、将来を見据えて試算をすれば、建替えや組換えをしたほうが、経済的にもプラスになるケースが多くあると思います。
まずは専門家に相談をすることをお勧めいたします。