コロナで東京一極集中から流出へ

■ コロナで東京一極集中から流出へ

コラムvol.8 令和3年7月28日号

20年超にわたり続いていた東京における一極集中が、コロナにより崩れました。政治の力では微動だにしなかったのに、パンデミックとは恐ろしいものです。都区部は流出超過に転じましたが、都下、神奈川県、埼玉県、千葉県は安定した人口流入が続いています。オフィスの床面積は都心5区で2/3を占めますが、リモートワークの長期化による広い部屋志向がこの移動の原因と考えられます。

それにより、都区部の賃貸の稼働率は下がり、家賃は実質マイナスに転じています。一方、持ち家需要は旺盛で、分譲マンションも戸建ても売行きは非常によい。これは、超低金利の長期化とコロナによる持ち家の検討促進が背景にあります。ワクチンが広まりコロナが収束すれば、この傾向は終わるという予測と、リモートワークはある程度継続するので、ある程度この傾向は継続するという2つの予測があります。今後の不動産の行方においては、大きな関心ごとであります。

■ ブロッサム・トピックス

某戸建て分譲会社より、土地の売却を依頼されました。聞けば、所謂ウッドショックにより建築費が高騰し、予定販売価格より上がってしまうことを危惧していたところ、飛込みで老人ホームとして購入したいとの話があったので、高く売れるなら売りたいとのことでした。最近老人ホームの需要は大変高くなっており、各社施設を増やしております。都心部では駅から離れると、住宅より老人ホームの賃料が高いことも出てきました。ということで、老人ホーム開発デベロッパー向けに営業を始めたのですが、規模的に反応が弱かったです。それで大手のデベロッパーに戸建て用地として営業をかけたところ、早々に手が上がりました。買主は、コロナで売行きがよく在庫が無いので、頑張って買うとのことでした。プロが付けた高い価格でプロが買う、価格上昇局面ではよくあることです。
リーマンショック、および東日本大震災以来、コロナによる一時的な下落はあったものの、大変長い間不動産価格の上昇が続いております。もうそろそろ終わりかと考えますが、まだまだなのでしょうか。