適切な修繕計画とは

『適切な修繕計画とは』

オフィスビルにおいては定められておりませんが、マンションにおいては国土交通省において、「長期修繕計画ガイドライン」といったものが定められており、大手不動産会社の分譲マンションにおいては、これに沿った運用がなされています。

皆さんも見たことがあるかと思いますが、マンションの建物全体にネットカバーがかけられ、足場と謂われる職人さんが歩く簡易通路が備え付けられている状況、これが大規模修繕工事の現場で、防水や外壁の剥離等の検査、修復を行っております。ガイドラインに沿って、これを12年周期で行うケースが多いです。そういう状況の中、業界大手の東急コミュニティーが、12年から最大18年に延長でき、修繕費用を圧縮する新しい長期保証商品を出しました。今までマンション管理組合の相談を受ける立場の管理会社や修繕を手掛ける工事会社においては、12年周期というのはとても解りやすいビジネス機会であり、やらない場合のリスクもありますので、やらない理由がありませんでした。

しかし実際に12年から先送りを選択するマンション管理組合が増え、そういった情報が広まりました。SDGSの高まりもあり、徐々に無駄な工事、無駄な支出は減らそうという機運は大きくなっています。長期修繕計画ガイドラインは名前の通りガイドラインであり、これは法律ではありません。
修繕といっても、エントランス等の共用部分においては、ただ直すだけでなく、色や素材を変えることによって、資産価値を上げる、攻めの修繕をすることが可能です。今後は、長期修繕計画ガイドラインを参考にしながら、現実的な修繕計画を探っていくことが求められると思います。