一棟ビル・マンション売却のポイント

当社では一棟ビル・マンションの売却を数多く手がけてまいりました。士業の方々からの紹介の個人や一般法人と大手不動産会社含めた不動産会社からの依頼が多くあります。なぜ当社のような小さな会社に頼むのでしょう。不動産売買は①当該不動産の的確な把握、②その情報管理とその流し方、および③人脈がポイントで、その勘所を判っているからです。結果として高く売る能力が長けているということになろうかと思います。これは大きな金額になればなるほどその傾向は強くなります。順を追って解説していきたいと思います。

高く売るためには、やはり当事者である売主本人が不動産の相場等をある程度理解してから動くことをお勧めします。売却を検討する際にまず気になることは、高く売ってもらえるのか、そしてその価格はどの程度なのかということかと思います。ご自身で「楽待」「健美家」などのサイトで類似物件から相場を確認しておくことはとても有効です。最近は一棟ビル・マンションでも査定サイトが登場しております。注意事項としては無料査定=営業サイトです。迷惑となるような営業電話がかかってきますので、電話に出ない等毅然とした態度が必要となります。また価格だけでなく本サイトのようなノウハウが書かれたサイトや本を読み込んで、ある程度の知識を身につけてから臨むようにしましょう。

依頼する不動産仲介会社をどのように探せばよいのでしょうか。まずお伝えしておきたいのは、実際に動くのは担当者ですから会社でなく担当者で選びましょう、ということです。されどまずは基となる会社について解説します。

大手仲介会社では個人客は支店の取扱いとなっておりますが、支店の取扱いのほとんどが区分マンションや戸建てのため一棟ビル・マンションについては不適任です。ほとんどの大手仲介会社に法人部という部署があり、そこで一棟ビル・マンションのような大きな不動産の取扱いをしています。よってそのような部署に担当してもらえない場合は避けたほうが良いと思います。大手仲介会社では法人の株主対策や当該会社社員の不正防止の観点から入札方式での売却を行うことがほとんどです。これが本当に高く売ったと云えるかどうかはケースバイケースです。入札形式にすると自ずと参加者はいつでも購入検討をしてくれてローン特約(※買主がローンの承認が得られない場合には白紙解約できるという条項)の付かない不動産会社に限られます。不動産会社は当該不動産を購入して手を加えるにしろ、その後売却して利益を取ることを目的として購入します。それよりも当該不動産をそのまま使うエンド(一般的な消費者、ローン特約が付くことが多い)のほうが高く買う可能性は高いのです。短期で売る必要があるなら入札方式で良いと思いますが、長期での売却でよいのであれば他の方策を選択したほうがよいと思います。また大手になればなるほど、経験者は役職者になりますので担当者は経験が浅いことが多くあります。

一方専門の不動産会社の場合は千差万別でして、前述のエンドと言える顧客を持っている会社もいますし、対応が優良な会社もあれば悪い会社もあります。やはり経験のある知人からの紹介が一番です。そういった知り合いがいない場合にはHP等を読み込んで選ぶしかないかと思います。そのうえで担当者にお会いして人となりを確認することです。

次に依頼する会社は1社でよいのか、複数社に依頼するのかということに言及します。簡単に売りやすい物件は複数社に頼むと競いあって高く売れる可能性があります。ただお互いに牽制しあって本当のことを伝えてもらえず判りづらくなることもあります。複数社に依頼するとそれを仕切るのも慣れない方にとっては結構大変なものです。信頼できる会社があるのであれば無駄に複数の会社に頼む必要はありません。一方売れにくい物件や難しい物件の場合は1社に限定すべきです。そうしないと頑張って売ってくれません。

販売する際の物件の状態ですが、高値を追求するならお金をかけてある程度の修繕を施し綺麗にクリーニングをしてかつ満室稼働を目指します。お金をかけたくない場合は、経験上は中途半端に修繕等を行ってもあまり意味がないので、最低限の修繕をすればよいかと思います。賃貸運営をやっているとたまたま空室が多く出るときがあるかと思いますが、その場合は通常稼働の状況まではできれば販売開始を待ちましょう。

価格については、こちらから話をせずにまず仲介会社の査定価格を聞きましょう。会社によって所有者の希望価格や他社の査定価格をしつこく聞いて、希望価格が低ければ査定もそれに合わせることをする会社もあるようです。最近の傾向としては、相場が右肩上がりで物件が少ないこともあり、仲介会社はとにかく媒介を取ろうと高い査定価格を提示しておいて、売れない場合は下げさせるという手法を採用するケースが多いようです。自身で他の類似物件も見せてもらって判断するしかありませんが、可能性がありそうであればその価格で販売をやってみるしかありません。もう一つの方法は希望価格を決めずに販売をスタートする方法です。これは仲介会社が嫌がりますが、実際の反応を見てから希望価格を決められます。

販売が始まってからは定期的に報告を受けます。スタート時点の反応である程度の当該物件の人気度がわかります。最終的に売るのは一人ですから、集客はひとつの要素として考えてください。お客さんの反応が芳しくない場合は仲介会社と相談して先手先手で施策を打ちましょう。

冒頭にポイントを3つ前述しましたが、不動産会社を選ぶ判断基準として①当該不動産の的確な把握、②その情報管理とその流し方は重要ですが、経験とテクニック的な部分もあり素人の方が聞いても判断できる部分ではないので、③人脈を一番重要視すると良いと思います。ここでいう人脈とは顧客や不動産業界での知合いの数と質です。不動産業は1種の情報産業と云われますが、大きい不動産ほど信用が大切で、ネット社会の今でも人づての情報で取引きが成り立っているのです。

一棟不動産ですから、このような対応で成約価格に数百万から数千万の差が出ます。

当社へのお問合せも是非お待ちしております。